所有物件の紹介
築28年の全空木造アパート(全20戸)を購入し、大規模修繕・リノベーションを実施。
現在、満室稼働中。
物件購入代金、購入に関する諸費用、大規模修繕、リノベーション費用を分母、年間賃料収入を分子とした表面利回りは約11%弱。
年間の現金手残りは約400万円。
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#1:自己紹介と動機 |
#2:最初にやったこと |
#3:自己分析 振り返り |
#4:強みの活用 サラリーマンとしての属性 |
#5:強みの活用 不動産関連知見の活用 |
#6:戦略 |
#7:戦術1 物件選定 |
#8:戦術2 大規模修繕・リノベーション |
#9:戦術3 無料インターネット業者選定 |
#10:戦術4 ガス会社選定 |
#11:戦術5 リーシング |
#12:戦術6 資金調達(頭金) |
#13:戦術7 資金調達(物件購入) |
#14:戦術8 資金調達(リノベーション費用) |
#15:不動産賃貸業を始めてよかったこと |
#16:今後の展望 |
#1:自己紹介と動機
私は、子供3人の教育費と80歳まで続く住宅ローン支払いの資金繰りに頭を悩ませている50代のサラリーマンです。
役職定年・定年(60歳)も間近に迫り、このままでは60歳以降の家計が破綻することが、ほぼ確定している状態でした。
そこで、給与収入以外の収入源を確保する目的で、副業・ダブルワーク・アルバイト等について調べまくりました。
サラリーマンとして今まで培ってきた知見、現時点でのリスク許容度、60歳までの残期間、65歳以降の生き方等を総合的に勘案した結果、不動産賃貸業を始めることが私にとっては最適解であると判断しました。
このブログは、私と同じような悩みを抱えている方の参考になればと思い始めるものです。
人それぞれ、置かれている状況は違うので、あくまで参考としての情報提供になります。
以降は、「物件選定」、「出口戦略」、「資金調達」、「リフォーム・リノベーション」等についての私の考え方・実施したことについてお話をしていきたいと思います。
#2:最初にやったこと
私がまず初めに行ったことは、金銭面の現状把握です。
Excelを使って、出来る限り詳細かつ保守的にCF(キャッシュ フロー)計画を作りました。
縦軸に自分の年齢(現在から85歳まで)
横軸に家族それぞれの年齢、イベント、給与収入の見込み(役職定年・定年による減額)、年金収入の見込み、家計支出、教育費、住宅ローン、自動車ローン、旅行代、年末年始費用等、想定出来得る限りのことをなるべく詳しく入力し、単年度貯金額、累計貯金額(あるいは不足額)がわかる資料を作成しました。
その結果、今まで貯めてきた貯金を取り崩していくだけでは、65歳以降の生活維持に不安が生じるものであることが判明しました。
これで、今後の方針が確定しました。
それは、貯金を取り崩していくのではなく、「最大限 運用すること!」になります。
#3:自己分析 振り返り
体と頭が元気なうちは、健康維持・ボケ防止の観点から75歳くらいまでは働いていたいと思っている。
さらに、面倒くさい人間関係の無い世界で、気軽に人生を過ごしたい。
そういう生活を送るためには、現在の自分が持っている武器(知見・スキル・属性等)を最大限に活用する必要がある。
私が次に行ったのが、自己分析(=自分が持っている武器探し)になります。
私はこれまでに、複数回の転職をしています。
(銀行等の金融業界、不動産ファンド等の不動産業界)
不動産に関連した知見を相応に有していること(全くの素人ではない)と、サラリーマンとしての属性(勤務先・勤続年数・年収等)が相応に高いということが、自分の強みであると結論つけました。
なので、この強みを最大限活用する戦略・戦術を考えることにしました。
#4:強みの活用 サラリーマンとしての属性
私は現在、いわゆる高属性と言われる部類に(たぶん)属しています。
この属性を大いに活用して、不動産購入時に、より有利なローンを調達することを目論見ました。
でも、その前に、より多くの金融機関からカードローンの極度枠を獲得すべく行動を開始しました。
その目的は、すぐに使うのではなく、万が一の出来事が発生した場合の備えや、銀行融資が調達できない物件で自己資金とカードローンで購入してもよい物件が出てきた時の備えや、全空物件を購入した時の運転資金としての備えになります。
カードローンの極度枠は総額で3000万円、金利は1.5%~9%で準備できました。
言うまでもありませんが、このカードローン極度枠を使う時には、より慎重な判断が求められます。特にタイミング。
#5:強みの活用 不動産関連知見の活用
私は銀行員時代に、不動産を担保とした融資業務を担当していました。
一般個人向けでは住宅ローン、富裕層向けでは相続対策としてのアパートローン。
一般法人向けでは運転資金・設備資金、不動産ファンド(SPC)向けには、レジデンス・オフィスを中心とした不動産ノンリコースローンを扱ってきました。
この経験から、お金を貸す時には、どの点に注目するかを学んできました。
(事業計画の作り方・妥当性、将来予測、担保となる不動産の見方、借入人のどこを重要視するか)
不動産ファンド在籍中では、不動産鑑定評価書、建物状況報告書、プロパティマネジメント報告書(PMレポート)、ビルメンテナンス報告書等の精読、購入予定物件や運用中物件の現地調査を数多く実体験することで、不動産の見方を学んできました。
#6:戦略
現状把握、将来予測、目指す姿、自己分析ができたら、じっくりと戦略を練る時間を作りました。
そして、出来上がった私の戦略は次の通りになります。
①サラリーマン(給与所得者)として65歳まで働く
②その間、転職も含めて現給与額の維持・向上を図る
③転職をする場合は、不動産賃貸業を開始した後とする
④効率よく不動産所得を得る
⑤その為、戸建て賃貸ではなく、一棟物とする
⑥小型物件ではなく、大型物件とする
⑦なるべく早く不動産賃貸業を開始し、貯金をする
⑧60歳定年時(=給与減額)の対応は、1棟目アパート収入を充てる
⑨60歳定年再雇用時、2棟目アパートを購入する(1棟目アパートでそれまでの間に貯金した資金を頭金として)
⑩2棟目アパートの余剰金は全て貯金する
⑪65歳定年時、3棟目アパートを購入する
⑫その繰り返し
⑬2棟目以降は、法人名義での購入も視野に入れておく
あとは、この流れに沿って、各戦術を実行に移していくだけです。
#7:戦術1 物件選定
人それぞれの考え方、好みもありますが、私の場合は次の条件から物件を探しました。
①何かあったらスグに駆けつけることができる場所(=住居からなるべく近い地域)であること
②表面利回りが10%以上であること
③リフォーム・リノベーションが容易な木造物件であること
④最寄り駅まで徒歩15分以内であること
⑤賃貸需要が見込める地域であること
⑥万が一の時、出口戦略が描ける物件であること
⑦賃料収入が年間1000万円以上見込める物件であること
⑧融資が付く物件であること
⑨レジデンスであること
上記①から⑨のそれぞれの理由は以下の通りです。
①物件の管理を管理会社にマル投げしていると、もし管理会社が手抜きをしていても気付くことはできません。たまには、自分の目で物件を見に行く必要があると考えます
②私は、レバレッジを効かせながら規模の拡大を指向しているので、資産性よりもCF(キャッシュフロー)を重視しています
③RC造・鉄骨造だと、その時代に合わせた間取り変更等のリノベーションが出来ない
④少子高齢化が進めば、不便な場所の(賃貸)競争力は落ちる
⑤いくら駅近物件であっても、そもそも賃貸需要がなければ不稼働資産となる
⑥最悪、値段を下げても売却できない物件だと逃げ場がない
⑦65歳定年までの期間から逆算すると1棟目で必要とされる賃貸収入は1000万円以上となる
⑧自己資金を効率よく運用する為の手段としてローンを活用することは必須である
⑨オフィスビル・商業ビルはボラティリティが高い、現段階(始めたばかり)では安定資産がイイ
#8:戦術2 大規模修繕・リノベーション
売主の売却条件が「全空」であったので、取得時に家賃収入が発生しないことは痛かったのですが、メリットとしては、(入居者がいないので)大規模修繕・リノベーション等の工事がやり易いことになります。
リノベーション工事の内容は、管理会社の意見、近隣競合アパートのスペックを参考に決めました。
主な工事内容は次の通りになります。
①外壁・屋根の塗装
②集合ポストの入れ替え
③宅配BOXの新規設置
④無料インターネットの導入
⑤屋外洗濯機置場の室内への設置
⑥上記⑤工事に伴う室内クロスの張替え
⑦エアコンの入れ替え(全室新規設置)
⑧給湯器の入れ替え(全室新規設置)
⑨カメラ付きインターフォンの新規設置
⑩簡易ウォシュレットの新規設置
これらの工事を、いわゆる「一人親方」に発注し、10月から12月の3か月間の工期で実施しました。
工期は多少長くなりましたが、大手の業者に発注するよりも安く仕上げて頂けました。
もちろん、丁寧な工事をしてもらっています。
#9:戦術3 無料インターネット業者選定
物件競争力向上の観点から、無料インターネットの導入を決めました。
候補は2社。
一つ目は、物件管理会社が提供する独自のサービス
二つ目は、自分でインターネットで検索し発見した業者
スペック、サービス内容、料金等を比較検討した結果、インターネット検索で発見した業者の方が総合的に優れていると判断しました。
この業者は、無料インターネット以外の他の設備設置も対応していたので、集合ポストと宅配BOXの見積りも依頼したところ、納得のいくスペック・価格でしたので、当社での設置を決めました。
#10:戦術4 ガス会社選定
入居者さんが支払うガス使用料が地域相場の近似値であることを第一条件に三社に見積りを依頼しました。
1社目は、既存建物でガスを供給していた業者
2社目は、物件管理会社から紹介して頂いた業者
3社目は、自分でインターネット検索をして発見した業者
サービス内容は、三社それぞれで違いがありました。
比較検討した結果、自分でインターネット検索をして発見した業者から提示されたサービス内容が経済合理性に優れたもので、物件競争力向上に寄与するものと判断できた為、当該業者と契約をしました。
契約・サービス内容は、
10年契約(設備無償貸与)
・全室の給湯器を新品に入れ替え
・全室のエアコンを新品に入れ替え
・全室のトイレに簡易ウォシュレットを設置
#11:戦術5 リーシング
リノベーション工事期間中に、「スーモ」等のインターネット情報から、ライバルとなる物件の立地・設備等のスペック・募集賃料の情報を集め、強気プランと下限プランを作成しました。
実際に客付けする業者にこれらのプランを示し、意見を聴取し、当該プランの調整を行い、リーシングプランを確定させました。
1月から本格的にリーシング活動を行い、3月中に満室とする計画になります。
1月は強気プランで様子見。
2月は部屋タイプ別でメリハリを付けた値付け
3月は下限プランでリーシング活動を行い、満室となりました。
AD(広告費)は、1か月としました。
#12:戦術6 資金調達(頭金)
まず初めに、築17年の自宅マンションを売却し、戸建て住宅に住み替えました。戸建て住宅建築資金の大半は住宅ローンで調達し、マンション売却に伴う手残り(=売却代金からローン残債を差し引いた金額)は、アパート購入時の自己資金として確保しました。
サラリーマンが大きな自己資金を確保する為の一つの手段は、自宅用として購入した不動産を有効活用することだと思います。
その為には、将来 相応の値段で売却できる物件を購入することが重要になります。
自分がもう少し若かったら(=住宅ローンを使ってこれから自宅を購入する)、住宅ローンという低金利が使える「賃貸併用住宅」を建築 or 購入することを検討したと思います。
住宅ローンの支払いは給与所得で賄えば、賃料収入は(まるまる)次の収益物件を購入する際の自己資金として貯金することができます。
純粋な(広い)自宅は、不動産賃貸業がある程度の規模まで拡大した後で、建築 or 購入すればよいと考えます。
#13:戦術7 資金調達(物件購入)
オーバーローン、フルローン、頭金10%、頭金20%等、借入の仕方には色々とあります。
借入金利、借入期間との関連で、借入可能金額も変わってきます。
その人の置かれた状況、資産背景、物件の状況等で、借り入れ条件は変わってきます。
要は、ケース by ケースになります。
今回、全空での購入になったので、オーバーローンやフルローンはリスクが高すぎると判断し、私は物件価格の20%分と購入時諸費用を自己資金、残りをノンバンクからのローンで調達することにしました。
#14:戦術8 資金調達(リノベーション費用)
リノベーション・リフォーム資金は、S銀行の無担保リフォームローン1000万円と事前に極度枠を設けていた銀行のカードローン700万円を活用しました。
注意点としては、S銀行の融資が実行されるまでは、カードローンを利用しないことです。
カードローンの極度枠を作ることで、借入人の与信枠を使ってしまいますが、極度枠があるだけの人と、実際にカードローンを利用している人では、金融機関の見方が違ってきます。(各金融機関によって判断は異なりますが、私が所属していた金融機関は少なくともこのような考え方でした。)
#15:不動産賃貸業を始めてよかったこと
不動産賃貸業を開始した年(初年度)は、全空物件の購入(=賃料収入なし)、物件購入時の諸費用支払いが発生した為、不動産所得は当然マイナスとなった。
不動産所得と給与所得は損益通算の対象になるので、今回の不動産所得のマイナス分は給与所得を(実質)引き下げる効果を発揮しました。
確定申告をした結果、大幅な所得税の還付を受けることができました。
次年度は、建物・大規模修繕の減価償却が開始されること、妻を専従者として申請したことから専従者給与が発生することで、節税効果が得られる見込みです。
これらは、サラリーマン大家業を始めたから得られたことです。
いままで(サラリーマンの給与所得)とは、違う景色が見えてきました。
その他で、よかったと思うことは、
いままでは「所得制限」で受給不可であった各種補助や手当ても、損益通算で課税所得が引き下げられたおかげで、受給できる可能性が増えたことです。
#16:今後の展望
現在は、サラリーマンをしつつ、個人事業主として不動産賃貸業を営んでいるという状況です。
60歳までは、次の収益物件を購入するための資金作り(貯金)をする期間と位置付けています。
65歳まではサラリーマンを続け、それ以降は健康維持・ボケ防止の観点から、起業(自分の会社を設立)して気楽に働き続けたいと思っています。
その準備として、
60歳時に法人名義で物件を購入する準備として、早めに法人を設立し、3期分の実績を作っておく予定です。
法人の収入源は、現在、個人で所有&賃貸している物件を法人に賃貸(マスターリース)、法人が転貸人・現在の物件入居者が転借人とする契約に順次切り替えることで、法人の利益を確保(=3期分の黒字決算)していくつもりです。
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不動産投資、不動産賃貸業に興味を持った方、始めてみたいと思った方で、いわゆる初心者の方は、いきなり不動産を購入するといった大胆な行動を開始するのではなく、不動産賃貸業を実際に営んでいる知人に相談してみることをおススメします。
不動産賃貸業を営んでいる知人がいないのであれば、不動産関連業者が開催しているセミナーに参加し、各種情報を入手、勉強をして不動産賃貸業に関する理解を深めてから不動産賃貸業を始めてください。
間違っても、セミナーに参加した際に、不動産業者からススメられた物件を、その場で購入するといった行動はしないことが重要です。
いきなり現物不動産投資は怖いという方は、不動産投資の用語等に慣れることを目的に少額から始められる不動産クラウドファンディングから始めてみるのもイイと思います。